FastAPIでのリクエストエンティティの大きさを制御する

FastAPIとは何か

FastAPIは、Python 3.8以上でAPIを構築するためのモダンで高速なWebフレームワークです。Pythonの標準的な型ヒントに基づいています。

FastAPIの主な特徴は以下の通りです:
高速:非常に高いパフォーマンスを持ち、NodeJSやGoと同等の速度を誇ります。これはStarletteとPydanticのおかげです。
直感的:エディタのサポートが充実しており、どこでも補完が効きます。これによりデバッグ時間が削減されます。
簡単:使用や学習が容易になるように設計されています。これによりドキュメントを読む時間が削減されます。

FastAPIは、開発者が素早く、少ないバグで、本番環境に適したコードを書くことを可能にします。また、OpenAPI(以前はSwaggerとして知られていました)とJSON SchemaというAPIのオープンスタンダードに基づいており、完全に互換性があります。これにより、自動的な対話型のAPIドキュメンテーションを提供することができます。

FastAPIは2018年に初めてリリースされ、その使いやすさ、速度、堅牢性から開発者の間で急速に人気を博しています。FastAPIは、ASGI(Asynchronous Server Gateway Interface)サーバーと、データの検証とシリアライゼーションのための強力なPydanticライブラリの上に構築されています。これにより、PythonでAPIを構築する際の新たな選択肢となっています。

What does ‘Request Entity Too Large’ mean

FastAPIでのファイルアップロードサイズの制限

FastAPIでは、アップロードされるファイルのサイズ制限はデフォルトでは設定されていません。しかし、大きなファイルをアップロードすると、サーバーのメモリを圧迫したり、ストレージの許可を超える可能性があります。そのため、FastAPIではファイルアップロードのサイズ制限を設けることが推奨されています。

FastAPIでファイルアップロードのサイズ制限を設ける方法は以下の通りです:

app = FastAPI()
app.add_middleware(
    ValidateUploadFileMiddleware,
    app_path="/",
    max_size=1048576,  # 1Mbyte
)

上記のコードでは、ValidateUploadFileMiddlewareというミドルウェアを追加して、アップロードファイルの最大サイズを1MBに制限しています。この値は必要に応じて調整することができます。

なお、FastAPIのアプリケーションは通常、リバースプロキシ(Nginx、Apacheなど)やASGIサーバー(uvicorn、hypercorn、gunicornなど)を経由してリクエストを受け取ります。これらの各層でもファイルアップロードのサイズ制限が設けられている場合があり、その制限はFastAPIの設定よりも優先されます。したがって、全体のファイルアップロードサイズの制限を確実にするためには、これらの各層の設定も確認し、適切に設定する必要があります。

サーバーサイドでの制御

サーバーサイドでのファイルアップロードサイズの制御は、クライアントから送信されるデータの量を制限する重要な手段です。これにより、サーバーが大量のデータで圧倒されることを防ぎ、サーバーのリソースを適切に管理することができます。

サーバーサイドでの制御は、通常、サーバーの設定ファイルやアプリケーションのコード内で行われます。例えば、PHPを使用している場合、php.iniファイル内のupload_max_filesizepost_max_sizeディレクティブを設定することで、アップロードファイルの最大サイズやPOSTデータの最大サイズを制御することができます。

しかし、FastAPIのようなPythonのWebフレームワークを使用している場合、サーバーサイドでのファイルアップロードサイズの制御は少し異なります。FastAPIでは、ASGIサーバー(uvicorn、hypercorn、gunicornなど)を経由してリクエストを受け取ります。これらのASGIサーバーは、それぞれ独自の設定を持っており、これらの設定を通じてファイルアップロードサイズの制限を設けることができます。

したがって、サーバーサイドでのファイルアップロードサイズの制御を確実にするためには、FastAPIの設定だけでなく、ASGIサーバーの設定も確認し、適切に設定する必要があります。これにより、クライアントから送信されるデータの量を効果的に制限し、サーバーのリソースを適切に管理することができます。

FastAPIミドルウェアを使用した制御

FastAPIでは、ミドルウェアを使用してリクエストとレスポンスの両方を制御することができます。ミドルウェアは、すべてのリクエストに対して、それが特定のパス操作によって処理される前に機能する関数です。また、すべてのレスポンスに対して、それを返す前に機能します。

ミドルウェアは、アプリケーションに届いたそれぞれのリクエストを受け取り、そのリクエストに対して何かを実行したり、必要なコードを実行したりできます。次に、アプリケーションの残りの部分にリクエストを渡して(パス操作によって)処理させます。次に、ミドルウェアはアプリケーション(のパス操作)によって生成されたレスポンスを受け取ります。そのレスポンスに対して何かを実行したり、必要なコードを実行したりできます。そして、レスポンスを返します。

FastAPIでミドルウェアを作成するには、関数の上部でデコレータ @app.middleware("http") を使用します。ミドルウェア関数は以下を受け取ります:
– リクエスト
– パラメータとしてリクエストを受け取る関数 call_next

この関数は、対応するパス操作にリクエストを渡します。次に、対応するパス操作によって生成されたレスポンスを返します。その後、レスポンスを返す前にさらにレスポンスを変更することもできます。

以下に、FastAPIでミドルウェアを使用してリクエストとレスポンスの処理時間を計測し、その結果をレスポンスヘッダーに追加する例を示します:

import time
from fastapi import FastAPI, Request

app = FastAPI()

@app.middleware("http")
async def add_process_time_header(request: Request, call_next):
    start_time = time.time()
    response = await call_next(request)
    process_time = time.time() - start_time
    response.headers["X-Process-Time"] = str(process_time)
    return response

この例では、ミドルウェアがリクエストを受け取り、レスポンスを生成するまでの時間を計測し、その結果をレスポンスヘッダーの X-Process-Time に追加しています。これにより、クライアントはレスポンスヘッダーを見ることでリクエストの処理時間を知ることができます。

FastAPIのミドルウェアを使用すると、リクエストとレスポンスの両方を効果的に制御し、アプリケーションの動作をカスタマイズすることができます。

まとめ

この記事では、FastAPIとその特徴について説明し、”リクエストエンティティが大きすぎる”というエラーについて解説しました。また、FastAPIでのファイルアップロードサイズの制限方法、サーバーサイドでの制御方法、そしてFastAPIミドルウェアを使用した制御方法についても詳しく説明しました。

FastAPIは、Python 3.8以上でAPIを構築するためのモダンで高速なWebフレームワークであり、その使いやすさ、速度、堅牢性から開発者の間で急速に人気を博しています。しかし、大きなファイルをアップロードすると、サーバーのメモリを圧迫したり、ストレージの許可を超える可能性があります。そのため、FastAPIではファイルアップロードのサイズ制限を設けることが推奨されています。

FastAPIでのファイルアップロードサイズの制限は、FastAPIの設定だけでなく、ASGIサーバーの設定も確認し、適切に設定することで確実にすることができます。また、FastAPIのミドルウェアを使用すると、リクエストとレスポンスの両方を効果的に制御し、アプリケーションの動作をカスタマイズすることができます。

以上の情報を踏まえ、FastAPIを使用する際には、適切なファイルアップロードサイズの制限を設け、サーバーのリソースを適切に管理することが重要であると言えます。これにより、FastAPIを最大限に活用し、効率的で堅牢なAPIを構築することができます。

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