FastAPIとOIDC認証の統合

FastAPIとOIDC認証の概要

FastAPIは、Pythonで書かれた高速なWebフレームワークで、非常に直感的で使いやすいです。それは、OpenAPIJSON Schemaの標準に基づいています。これにより、自動的なAPIドキュメンテーション、データバリデーション、シリアライゼーション、認証などの機能が提供されます。

一方、OIDC(OpenID Connect)は、ユーザー認証を行うためのオープンスタンダードです。これは、OAuth 2.0プロトコルの上に構築され、ユーザー情報を安全に交換するためのIDトークンを提供します。

FastAPIとOIDCを組み合わせることで、ユーザー認証を効率的に実装することが可能になります。この組み合わせは、Webアプリケーションやマイクロサービスのセキュリティを強化するための強力なツールとなります。次のセクションでは、OIDC認証の基本的な流れと、FastAPIでのOIDC認証の実装手順について詳しく説明します。

OIDC認証の基本的な流れ

OIDC(OpenID Connect)認証の基本的な流れは以下の通りです:

  1. 認証リクエスト:ユーザーがアプリケーションにログインを試みると、アプリケーションはOIDCプロバイダーに認証リクエストを送信します。このリクエストには、リダイレクトURI、クライアントID、レスポンスタイプ(通常はcode)、スコープ(通常はopenid)などの情報が含まれます。

  2. 認証と承認:OIDCプロバイダーはユーザーにログイン情報を提供するように求め、ユーザーがアプリケーションにアクセスを許可するかどうかを確認します。

  3. 認証レスポンス:ユーザーが認証に成功すると、OIDCプロバイダーはアプリケーションに認証レスポンスを送信します。このレスポンスには、認証コードが含まれます。

  4. トークンリクエスト:アプリケーションは認証コードとクライアントシークレットを使用してOIDCプロバイダーにトークンリクエストを送信します。

  5. トークンレスポンス:OIDCプロバイダーは、アクセストークンとIDトークンを含むトークンレスポンスをアプリケーションに送信します。

  6. ユーザー情報の取得:アプリケーションは、アクセストークンを使用してユーザー情報を取得します。

この流れを理解することで、FastAPIでのOIDC認証の実装がより明確になります。次のセクションでは、具体的な実装手順について説明します。

FastAPIでのOIDC認証実装手順

FastAPIとOIDC認証を統合するための基本的な手順は以下の通りです:

  1. FastAPIアプリケーションのセットアップ:まず、FastAPIアプリケーションをセットアップします。これには、FastAPIのインストールとアプリケーションの基本的な構造の作成が含まれます。

  2. OIDCプロバイダーの設定:次に、OIDCプロバイダー(例えば、GoogleやMicrosoftなど)でアプリケーションを登録します。これにより、クライアントIDとクライアントシークレットが生成されます。

  3. Authlibのインストールと設定:Authlibは、PythonでOAuthとOpenID Connectを扱うためのライブラリです。これをインストールし、OIDCプロバイダーから取得したクライアントIDとクライアントシークレットを使用して設定します。

  4. 認証ルートの作成:FastAPIアプリケーションに認証ルート(通常は/login/auth)を作成します。/loginルートは、ユーザーをOIDCプロバイダーの認証ページにリダイレクトします。/authルートは、OIDCプロバイダーからのリダイレクトを処理し、認証コードを受け取り、トークンを取得します。

  5. ユーザー情報の取得:最後に、取得したトークンを使用してユーザー情報を取得します。これは通常、OIDCプロバイダーが提供する特定のエンドポイントに対するリクエストによって行われます。

以上が、FastAPIでのOIDC認証の基本的な実装手順です。具体的なコード例や詳細な説明は、次のセクションで提供します。

Authlibの統合と設定

FastAPIとOIDC認証を統合するためには、Authlibというライブラリを使用します。以下にその設定手順を示します:

  1. Authlibのインストール:まず、Authlibをインストールします。これはPythonでOAuthとOpenID Connectを扱うためのライブラリです。インストールはpipを使用して行います:
pip install Authlib
  1. OIDCプロバイダーの設定情報の取得:OIDCプロバイダー(例えば、GoogleやMicrosoftなど)からクライアントIDとクライアントシークレットを取得します。これらは、アプリケーションをOIDCプロバイダーに登録することで得られます。

  2. Authlibの設定:次に、Authlibを設定します。これには、OIDCプロバイダーから取得したクライアントIDとクライアントシークレットを使用します。以下にその設定例を示します:

from authlib.integrations.starlette_client import OAuth
from starlette.config import Config

config = Config('.env')  # read config from .env file
oauth = OAuth(config)

oauth.register(
    name='google',
    server_metadata_url='https://accounts.google.com/.well-known/openid-configuration',
    client_kwargs={'scope': 'openid email profile'}
)

以上が、Authlibの統合と設定の基本的な手順です。具体的なコード例や詳細な説明は、次のセクションで提供します。

Callbackエンドポイントの実装

OIDC認証の一部として、認証プロバイダーからのリダイレクトを処理するためのCallbackエンドポイントを実装する必要があります。以下にその手順を示します:

  1. Callbackエンドポイントの作成:FastAPIアプリケーションにCallbackエンドポイント(通常は/auth)を作成します。このエンドポイントは、OIDCプロバイダーからのリダイレクトを処理し、認証コードを受け取ります。
from fastapi import FastAPI, Request
from authlib.integrations.starlette_client import OAuth

app = FastAPI()
oauth = OAuth(app)

@app.get("/auth")
async def auth(request: Request):
    token = await oauth.google.authorize_access_token(request)
    user = await oauth.google.parse_id_token(request, token)
    return user
  1. トークンの取得:認証コードを使用して、OIDCプロバイダーからアクセストークンとIDトークンを取得します。これはauthorize_access_tokenメソッドを使用して行います。

  2. ユーザー情報の取得:取得したトークンを使用してユーザー情報を取得します。これはparse_id_tokenメソッドを使用して行います。

以上が、Callbackエンドポイントの基本的な実装手順です。具体的なコード例や詳細な説明は、次のセクションで提供します。

FastAPIとSPA(Vue.js)の連携

FastAPIとSPA(Single Page Application)フレームワークであるVue.jsを連携させることで、効率的なWebアプリケーション開発が可能になります。以下にその手順を示します:

  1. Vue.jsプロジェクトのセットアップ:まず、Vue.jsプロジェクトをセットアップします。これには、Vue CLIのインストールと新しいプロジェクトの作成が含まれます。
npm install -g @vue/cli
vue create my-project
  1. FastAPIサーバーのセットアップ:次に、FastAPIサーバーをセットアップします。これには、FastAPIのインストールと新しいFastAPIアプリケーションの作成が含まれます。
pip install fastapi
pip install uvicorn
from fastapi import FastAPI

app = FastAPI()

@app.get("/")
def read_root():
    return {"Hello": "World"}
  1. Vue.jsとFastAPIの連携:Vue.jsアプリケーションからFastAPIサーバーにリクエストを送信するために、axiosなどのHTTPクライアントライブラリを使用します。
import axios from 'axios';

axios.get('http://localhost:8000/')
  .then(response => {
    console.log(response.data);
  })
  1. OIDC認証の統合:FastAPIサーバーでOIDC認証を実装した場合、Vue.jsアプリケーションでも同様に認証を実装する必要があります。これには、vue-authenticateなどのライブラリを使用します。

以上が、FastAPIとSPA(Vue.js)の連携の基本的な手順です。具体的なコード例や詳細な説明は、次のセクションで提供します。

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